マジックのゲームでは、あなたは多元宇宙の魔術師の中でもエリート中のエリート――プレインズウォーカーです。プレインズウーカーの中には、味方もいれば敵もいます。彼らは恐るべき魔法を携え、クリーチャー軍団を無限の次元から引き出しては指令を下しています。あなたのデッキの中のカードは、あなたの武器となります。そこにはあなたが学んだ呪文や、あなたのために戦ってくれるクリーチャーが収められています。

引用元:http://www.wizards.com/Magic/TCG/Article.aspx?x=mtg/tcg/newtomagic/whatismagic

ギャザの設定では、プレイヤーは強大な力を持つプレインズウォーカーです。プレインズウォーカーポイントという言葉や実績システムによって得られる称号がその設定に基づくものであり、公式の方からもプレイヤー=プレインズウォーカーという一致を推し進めようとしてる感じがあります。
しかし実際それを意識している人はどれだけいるのかという疑問はあります。特に競技志向の場合、むしろプレイヤー=プレインズウォーカーという一致は邪魔なものですらありえるわけでして。たとえば「自分というプレインズウォーカーはこのようなこだわりがある」といって押し通した結果として勝率が下がるのであれば、それはトーナメントプレイとしては必ずしも勝つことを目的とした競技志向のプレイヤーとしては望ましい姿とは言えないでしょう。
逆にカジュアル志向な場合は強さ以外の側面、つまりプレイヤー=プレインズウォーカーとしてのこだわりを追い求めることができるようになりますわけで、よりその一致が強い意味を持ってきます。「私はこの色しか使わない」「私はこのカードを使い続ける」といったものがプレイヤー=プレインズウォーカーの個性としてあらわれてくるので、プレインズウォーカーが自身のデッキを持って相手と戦う、という上記のテキストに書かれた姿に近いプレイヤー=プレインズウォーカー像が浮かび上がってきます。
プレイヤー=プレインズウォーカーという一致は次元マジックや統率者戦、魔王戦といった半公式なカジュアルルールによってさらに際立ちます。これらのルールは次元マジックや魔王戦においてはデッキ外部の状況の変化がプレインズウォーカーとしてのプレイヤー像を浮き上がらせ、統率者戦においてはデッキ構築の高いオリジナリティがプレイヤーのプレインズウォーカーとしての個性を際立たせるのです。

さて、ここでひとつの疑問が。
プレインズウォーカーポイントはトーナメントの参加実績であり、どちらかというと競技志向のプレイヤー向けです。
つまり本来よりプレインズウォーカー性の高いプレイヤーがプレインズウォーカーとしての実績から隔離されているのではないか、という疑問が浮かび上がってくるのです。
公式がカジュアルな声を拾い上げようとするのであれば、変な話ですがカジュアルなプレイヤーこそがこういった公式が構築したシステムに組み入れられるべき存在なのではないでしょうか?
「公式な大会参加のみではなくてカジュアルプレイにもプレイ報奨的なものがあってもいいのではないか」に対する施策を実行するのが簡単だとは思わないですが、うまく実行できればもっと競技志向以外の楽しさというのが発見されやすくなってくれるのではないかと思うのです。

コメント

タムー
2012年8月11日22:26

>ひ
全く以て同感です!!

ふぇい
2012年8月15日17:46

>タムーさん
言いたいことはわかりますし実際運用自体も問題ないのですが、フレーバー的にみると不思議な感じになってしまうのですよね…

フゥ
2012年8月23日9:49

結構思う所はありますねー。言葉はあんまりよくないんですがPWのなりきりというか、PWごっこみたいなものは、MTGに対して熱くなれるポイントでもあるんですが、それにのめりこむと競技としてのMTGにはマイナスの面が出てくるんですよね。

真剣なカードゲームの競技は競技として確立されているべきなのですが、もう一方で先程あげたようなカジュアルにMTGを楽しむ人のための競技、というものがあれば面白いのですけれどね。
EDHやプレインチェイスなんかがカジュアルな競技として当てはまっていると思います。公式の競技として確立されていけば、盛り上がるんじゃないかなぁ。

いや、公式の競技になることでカジュアル成分が減ってEDHもガチとかになったり……?

ふぇい
2012年8月29日17:28

>フゥさん
実際EDH(統率者戦)でもよくある問題としてネタとガチというものが挙げられてますね…
勝利への最適化を志向するのであればカジュアル路線との対立は回避困難になってしまいそうです。
相手が人でなくてコンピュータならいわゆるやり込み的感覚でカジュアルかつ勝利を目指す、というプレイングが可能になるのだろうかと言うのが今思っているところです。

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